ベル・エポック(良き時代)と呼ばれた19世紀末から20世紀初頭にかけてのフランス。ひときわ華やかな芸術の都パリで、フランス美術界の花形として活躍した芸術家たちがいました。アマン=ジャン、ル・シダネル、クラウスら、自然と向き合う印象派の制作スタイルを引き継ぎながら、身近な題材に豊かな詩情を盛り込んだ甘美な作品を制作した画家たちです。
彼らは当時の美術界で高い評価を得ていましたが、フォーヴィスムやキュビスムといった、同時代の前衛的な芸術活動には加わらなかったため、近年までその存在が美術史のなかで大きく取り上げられることはありませんでした。
本展は、これまでほとんど知られてこなかった、彼らが所属した「画家彫刻家新協会 (ソシエテ・ヌーヴェル)」とその作品を、日本で本格的に紹介する初めての展覧会です。
23作家による83点から、20世紀初頭のフランス美術の中核を担った、もうひとつの美の潮流をお楽しみください。