葉祥明(1946- 熊本県熊本市出身)は、デビュー以来44年間、犬のJAKEシリーズや「地雷ではなく花をください」などをはじめとする多くの作品を発表、世代も性別も国境も超え愛される、日本を代表する絵本作家として活躍しています。また、小説『東京タワー』(リリー・フランキー著)で紹介された『母親というものは』(学習研究社)などにより、詩人としても知られています。
一貫してシンプルな構図、抒情豊かな優しい色彩で描かれる作品は見る人を平穏に導き、さまざまな活躍をするキャラクターたちは、頑なになりがちな心と頭を柔軟にすること、自分を大切に生きること、同時に自分以外の誰かへの気づきなど、いろいろなことを私たちに教えてくれます。また、その裏側には地球の、または日本の、もしくは身近な場所で苦しみ、悩む誰かに対して愛を届けるという切実な使命感のような思いを感じます。それは、真摯に「生きる」ということに向きあう中で、個々人が平和で幸せであることが、地域や国、地球の中に生まれる不調和を改善することにつながると信じているからなのでしょう。
今回は、絵本原画から油彩画、詩作まで幅広く葉祥明の世界をご覧いただく信州初開催の展覧会となります。大切な人と またはひとりでゆっくりと あたたかくて穏やかな空間に包まれてみませんか。