雛祭りは「桃の節供」とも呼ばれ、春の訪れを告げる華やかな行事です。3月初めの巳の日に、自分の穢(けが)れを人形に移して水辺に流す祓(はら)いの行事は古代からおこなわれていましたが、現在のように女の子のお祭として3月3日に人形を飾るようになったのは江戸時代からです。以来、立雛から様々な様式の雛人形が作り出されました。何度もモデルチェンジを繰り返して、現代、平成の雛人形へとつながっていきます。
この雛人形は昭和50年に製作されました。華やかな装束に、しもぶくれのふっくらとしたお顔が当時の主流です。また、昭和40年代から簡便さが人気を得て、ケース入りの雛人形が増えていくようになります。