すこし、ちがう。
すごく、ちがう。
20世紀最高の静物画家ジョルジョ・モランディ(1890~1964)の、日本では17年ぶりとなる待望の本格的な個展を開催します。
もったりとした筆触と淡い色彩でまとめられた、つつましく落ち着いた画面。絵のエッセンスを凝縮したような気品ある作品とともに、本展ではモランディ最大の特長である、ヴァリエーション=変奏に焦点を当てます。故郷のボローニャを終生離れなかったこの孤高の画家は、静物もしくは風景という限定された主題にひたすら専心したことで知られます。しかも登場するのはいつも同じ瓶や壺。一列に並べたり、一箇所にまとめたり、それらを果てしなく組み換えることで、モランディは構図や色調のわずかに異なる無数の表現を生み出しました。
画家の生涯をかけた探求はいかなる変遷を辿り、何を見出したのか。ボローニャのモランディ美術館の全面的な協力のもとに集まった油彩画53点を中心とする約100点が彩る贅沢な空間をご堪能ください。