かつて、独立美術協会主催の独立選抜展は、堂々としたギリシャ神殿風列柱が印象的な旧東京都美術館の取り壊しとともに第14回を以って一度終了しました。
時は経ち、2007年に六本木の国立新美術館が完成し、独立展会場を長年開催してきた上野から移転することが決定しました。しかし上野への縁は切り難く、それを懐かしむ声と、かつて独立展の主力作家達を育んだ選抜展を懐かしむ声とが高まり、2009年に上野の現東京都美術館で新人選抜展が35年後の時を超えて再開されました。その後、美術館老朽化による大規模改修工事期間を挟み一時中断されたものの回を重ねて、この度、通算20回目となる『2016 独立春季新人選抜展』が開催されます。
この選抜展出品者は、既に独立展で受賞し準会員に推薦された61名、準会員を除く第83回独立展の受賞者18名、独立展会員の投票により選ばれた一般選抜者70名による、特に将来を期待し選抜された総勢149名による展覧会です。研究成果や実験的作品なども含め、お互いに鎬を削ってより高みを目指し、意欲的な作品が出品されることを確信しております。また例年8名前後に選抜展賞が授与され、この受賞者の多くはその後の独立展でも常連の受賞者となっており、さらに1/4が既に会員に推挙されて、レベルの高さに益々注目を集めております。
つきましては、是非ともご高覧賜りますようご案内申し上げます。
2016独立春季新人選抜展実行委員