大川美術館は、国内外の近現代美術を中心に扱う美術館として、さまざまな作品を収集・展示・保存してきました。現在収蔵作品数は7,300点を数えます。このたびの展覧会では、近年新しく寄贈・寄託された作品のなかから主な作品を紹介します。スーパーリアリズム絵画の第一人者・上田薫の代表的なシリーズ「なま玉子」「流れ」をはじめ、色彩とフォルムがリズミカルに響く嶋田しづのリトグラフ、日本で初の女性洋画家・ラグーザ玉の晩年に描かれたと伝わる浅間山をモチーフにした水彩画、また、網谷義郎の《静物》は、長年親友が大切にしてきた作品で、生涯「人間」を描き続けた画家最初期の貴重な―点です。新たに加わった素描約20点と、油彩作品とともに展観します。さらに、当館で開催された企画展を機に発見された難波田龍起の1950年代の作と考えられるユーモラスなコラージュ連作や、1938年夏、瑛九が桐生に滞在しオノサトと水墨画などを競作した際の一点と考えられる、オノサト・トシノブ《裸瑛九》など、興味深い作品の数々を出品します。多彩な作品の魅力をお楽しみください。