日本美術院を活躍の中心とし、大正から昭和にかけての近代日本画壇を牽引した画家・前田青邨 (まえだ せいそん)(1885-1977)。やまと絵をはじめ古画を深く研究し、豊かな色彩感覚と筆技を身につけた青邨は、壮大なスケールの歴史画を中心に幅広い画題に挑戦し続けました。一方、東京美術学校で教鞭をとり、優れた指導者として多くの秀でた後進を育てたことでも知られています。
本展では、青邨の生誕130年を記念し、《蓮台寺の松陰 (れんだいじのしょういん)》《大物浦 (だいもつのうら)》《腑分 (ふわけ)》を含む山種美術館所蔵の青邨の作品13点を一挙公開いたします。さらに、横山大観 (よこやま たいかん)・下村観山 (しもむら かんざん) ら日本美術院の開拓者、同門の小林古径 (こばやし こけい) や奥村土牛 (おくむら とぎゅう)、紅児会で切磋琢磨した安田靫彦 (やすだ ゆきひこ)や速水御舟 (はやみ ぎょしゅう)、そして門下生の守屋多々志 (もりや ただし)や平山郁夫 (ひらやま いくお)など、青邨をとりまく日本美術院の画家たちの作品も展示いたします。