20世紀を代表する建築家で画家でもあったル・コルビュジエの没後50年を迎えた2015年、ギャルリー・タイセイでは彼の人となりをさぐる展覧会を開催しています。ル・コルビュジエを取り巻く人びとを紹介した前回に続き、今回は彼が愛した動物たちとの関係を通して、ル・コルビュジエとはどういう人物であったのか、考える機会としたいと思います。
ル・コルビュジエが描いた絵画を見ると、意外にも動物が多く登場していることに気付きます。ペットとして身近にいたイヌやネコをはじめ、牡牛や鳥たちも好んで描かれました。彼は単なる観察の対象として描くにとどまらず、イメージをひろげて、動物をモチーフにしたシンボルの創造へと展開していきます。そして、動物たちは彼の建築の中にそっと取り込まれています。
動物を愛した素顔のル・コルビュジエを身近に感じ、動物に託したメッセージについて関心をもっていただければ幸いです。