佐藤敬(大分市出身、1906~78)は1930~34年、1952~78年の2度、渡仏していましす。1回目ではルーブル美術館の作品を通して、油彩画の基本的な技法を再検討するとともに、マチス、ピカソをはじめとする西欧の最新の様式を熱心に学び、1931年には第13回帝展で特選を受賞しました。2回目の渡仏は、25年を超える長期にわたり、マチス、ピカソなどと交友を経て、「自然主義抽象」と呼ばれた独自の抽象絵画を展開しました。
今回は、こうした敬の在仏中の作品を中心に、敬に影響を与えた藤島武二、藤田嗣治、海老原喜之助、そして、同時代に渡仏した里見勝蔵、今井俊満などの画家たちの作品を紹介します。