慌しい喧騒の日々にあって、静かな落ち着きを取り戻すことがなにより必要とされている。自然の移ろい、調和と美しさ、その愛おしい歓びをしみじみと感じるためには、穏やかな静けさのなかで悠々とした時を過ごしたい。
枯山水の幾十の岩や一面の砂利が、広大な宇宙を表し、瞑想を呼び覚ますのは、神秘だ。
私はカメラを手に、庭の前にじっと座って、砂が描く文様、線や円を静かに見つめている。その景色の精髄を象徴するイメージをレンズに捕らえようと…。やがてイメージは、私の目と心のフィルターを通して、伝統的美学を超え、作庭家の構想にも似た抽象の創作物となっていく…。
メティカ・ヴェルニョン