20世紀の美術表現は、複製技術の発見や進化により、「複数」が認知されるとともに、芸術は多様な表現と方法を展開してきました。本展では20世紀の美術が果敢に表現してきた、イメージ(形象/映像)の変貌・変換・引用・差異・連続といった問題を考えてみます。この一世紀の間にイメージ(虚像)は、美や崇高の対象である「モナ・リサ」から物欲の悪魔マンモン(mam-mon)である「千円札」にいたるまで、飲み込んでしまいました。21世紀の今日、イメージの裏に内在していた社会構造や見る制度なども、美術の表現として捉えられ始めています。20世紀が表現してきたイメージと実在するものの相互浸透の諸相を見ることにより、21世紀における私たちの知覚と認識の関連を覗いて見ましょう。60作家、1グループ、約120点で紹介します。