ハイ、ストーリーズ!は、「ものがたり」という切り口で、新潟市美術館の収蔵品や歴史を読み解くコレクション展です。
4,200点を超える当館の所蔵品からは、同時開催「英国の夢 ラファエル前派展」にあわせ、「物語」の視点から絵画や版画作品をセレクト。描かれた世界をのぞき込んでみて下さい。そのほか、収集に至るまでのエピソードとともに紹介する作品も。コレクションの来歴にもご注目下さい。また、当館の歩みを紡いだ人物のうちの二人、建築家・前川國男(1905-1986)とグラフィックデザイナー・服部一成(1964-)の仕事を取り上げます。20世紀の日本建築史に大きな足跡を遺した前川は新潟市生まれ。80歳の最晩年に竣工した作品が当館です。新潟の地との結びつきや当館設計に関わる資料を展示します。服部は、これまで多くの美術館や展覧会に関わる作品を制作。2012年には当館のロゴ・シンボルマークを、2015年には館内のサイン表示を手がけました。約30年の時を隔て、交差し響き合う二人の感性に触れる機会となるでしょう。「hi」と「story」は、つなげて読めばhistory=歴史。美術館をかたちづくるのは、モノや人が奏でる幾つものものがたり=stories。作品、作家、来館者や職員などの数だけストーリーがあり、その複数性に対しては、いつもいつまでも「Hi!」とオープンでいたい。洒落まじりながらそのような思いを込めた本展を通じ、今年開館30周年を迎える当館の「これまで」を読みひらき、「これから」を楽しみにしていただけたら幸いです。