2015年3月、旧米子市と旧淀江町の合併により新米子市が誕生し10周年を迎えました。これを記念し、旧淀江町出身の写真家・足立正太郎(1901-1995)が撮影した大山など、当館の収蔵作品の中から「山」をモチーフにした写真、版画、洋画、日本画などを展観する「足立正太郎と山を愛した作家たち」を開催します。
足立は、大阪高等工業学校(現・大阪大学)醸造科在学中に「ベス単」と呼ばれるカメラで写真を撮りはじめていましたが、就職後は、当時家が一軒建つといわれたカメラ「ライカA型」をドイツから購入するほど写真にのめり込み、1931年米子写友会に入会後は写真雑誌のコンテスト等に積極的に応募するようになります。そして1933年、日本写真大サロンに出品した《手》で特選を、《ラジオ》で準特選を受賞しました。
本展ではこれらの受賞作を含む足立のヴィンテージ・プリント約20点と、國頭繁次郎《大山秋》、森田光達《秀峯大山》など旧淀江町出身の作家による作品や、片岡球子や北岡文雄など日本を代表する作家たちの作品もあわせて展示いたします。
来年2016年からは、山に親しむ機会を得て、その恩恵に感謝する祝日「山の日」も施行されます。ぜひこの機会に、山をこよなく愛した作家たちに思いを馳せ、お気に入りの山の風景を見つけてください。