本年は松露亭の号を持つ、当館創設者田部家23代田部長右衛門朋之(明治39・1906)の生誕110年の年にあたります。松露亭は、島根県知事・島根新聞社(現山陰中央新報社)など、政財界に多くの足跡を残しておりますが、美術・文化にも深い愛情をもって、大きな貢献を果たしました。
自身も、彫刻・書画・陶芸に親しみ、楽しみながら作られたその作品はアマチュアの域を超えていると評されるほどです。多くの作品は松露亭と親しい友人にたちに分かち与えられ、今も愛用されています。
当館では、松露亭生誕110年を記念して、写真家川本貢功氏の松露亭の写真作品と松露亭自らが作陶した作品により、松露亭を懐かしく偲び、またその足跡を振り返っていただきたく、展覧会を企画いたしました。川本氏は、松露亭の還暦を祝って友人たちが出版した松露亭作品集『松露亭』の写真撮影を担当されました。松江在住で二科会に所属、島根の自然や行事、隠岐島等の写真でよく知られた写真家です。
懐かしくご鑑賞くだされば、幸いと存じます。