このたび、1945(昭和20)年に現在の碧南市において行動美術協会が結成されたことを記念した企画展を開催致します。
終戦間もない1945(昭和20)年の10月下旬に、現在の碧南市棚尾地区にある妙福寺に、東は東京、西は関西方面からリュックを担いだ7人の画家たちが参集しました。彼らは戦前から美術の在野団体の雄として知られた二科会所属の中堅実力作家たちでした。彼らは戦後復活宣言をした二科会執行部の以前と変わらない体質に反旗を翻し、新たな美術団体を発足させるため、協議の場として当地に参集したのでした。そして、翌月には東京において行動美術協会の設立宣言を行い、戦後美術の展開に新たな一石を投じました。この戦後美術の一展開に当地域が関わりを持ったという歴史的事実は、創立会員の向井潤吉が『行動美術三十五年の小史』において、愛知の碧南市は行動美術協会発祥の地であると記述しています。
そこで本展では、戦後70年、戦後美術の一展開に当地域が関わりをもったことを記念し、碧南にある妙福寺に全国から集まった創立会員7人を中心に、初期会員や中部地区から出品した行動美術協会の作家たちの作品をご紹介することと致しました。
これにより、当時の美術動向の一断面や、それに関わった当地域の戦後史を検証します。今70年の時を経て蘇る“あの時の熱情”を感じ取っていただければ幸いです。