漫画家、イラストレーター、エッセイスト…多彩な才能をいかんなく発揮し、八面六臂 (はちめんろっぴ) の活躍をした絵本作家・長新太。とぼけたユーモアと、“ナンセンスな”センスあふれる独特の作風で、日本の絵本界に新境地をひらいたことで知られています。
長新太の頭の中には、ありえないほど大きなモノや、突然出現する摩訶 (まか) 不思議なシロモノや、想像を超えたおかしなヒトビトがいっぱい詰まっていたらしいのです。それらは融通無碍 (ゆうずうむげ) な発想によって生命を吹き込まれ、目にも鮮やかな色彩と自在な線とでこの世に送り出されました。これほど子供のように奔放な世界を創り出した作家は、長新太をおいて他にありません。
本展は、「イマジネーション」「センスとナンセンス」の2部構成で、絵本原画、漫画原画、創作のための資料など約250点を展示します。没後10年を経てなお、あらゆる人々を魅了し続ける長新太の創作の秘密をとくとご覧ください。