この展覧会では、当館収蔵品の中から、白、あるいは白に近い色に色数を絞り表現された作品をご紹介します。取り上げる作品は、いずれも、日本および韓国の現代の作家によって制作されたものです。個々の作家が、時代や、おのおのが背負う文化を背景に、白が備え持っている清々しさ、軽味、霊性、凜々しさといった色彩の力を、独自の方法で表現の中に取り込んでいます。同時に、ここで紹介する作品の多くからは、必要のないものをそぎ落とす、引き算の美学を、読みとることができます。色を含め作品を構成する余分な要素を、そぎ落とすことによって、かたち、素材、光、陰影、行為の痕跡を際立たてようとする意思を感じさせます。