「コレクション」という言葉からイメージされるのは、愛好家が情熱を傾けて蒐集した愛すべき美術作品でしょうか。また一方で、美術作品を収集、保管、展示してその価値を将来へと継承する美術館においては、コレクションは館活動の根幹をなすものといえます。
富山県水墨美術館の作品収集は、日本の「近代水墨画の系譜」を中心としています。また、日本の名だたる著名な作家の作品だけではなく、広く富山県ゆかりの作家や、現代作家の水墨作品についても、活発な収集と展示活動を行っています。開館以来、こうした事業を支援してくださる所蔵家や作家の方々から、幸いにも間断なく作品の寄贈をいただき、コレクションの量と質は次第に充実してきました。
本展は、昨年、開館15周年を迎えたことを契機として、寄贈による個人コレクションを中心に、展覧会活動の足跡をしめす寄贈作品を加え、これまでの収集成果を紹介する収蔵作品展です。「美術品を収集するということ」をテーマに、さまざまな視点から作品を見る機会として、多くの方に楽しんで鑑賞していただけることを願っています。