2015年、天理大学は創立90周年を迎えます。これを機に、世界的に有名な考古学者ハインリヒ・シュリーマンが発掘したティリンス遺跡の発掘報告書原画28枚を初公開致します。
ティリンスはギリシア、ペロポネソス半島のアルゴリコス湾東岸にあるアクロポリス遺跡です。ヘラクレスの生誕地とも、単眼の巨人キュクロプスがその巨石城壁を建てたとも言い伝えられ、また吟遊詩人ホメロスが「城壁高きティリンス」と謳い揚げています。1999年には世界遺産に登録されています。
シュリーマンが1884年に最初に発掘しました。遺構や遺物を正確に図面化し、1885年にはこの原画を使って発掘報告書を発刊しています。原画なので当然1枚しかなく、世界的にも貴重な資料です。
本展では原画とともに、シュリーマンが魅せられたギリシアとエジプトの考古美術品、シュリーマンが活躍した19世紀の発掘報告書初版本を展示致します。
2015年はくしくもシュリーマンが来日して150年、ティリンス遺跡発掘報告書を発刊して130年にあたります。シュリーマンという人物に迫り、彼がなしとげた偉業を伝えればと存じます。