今年度、ロダン館は開館20周年を迎えました。これに関連して本企画では当館収蔵品を中心に、人を描いた日本の絵画を展示いたします。ロダンの作品に見るような西洋の人体表現とは異なり、伝統的な日本美術においては人間の身体そのものが主題となることは極めてまれでした。しかしながら仏や高僧の姿を表した仏教絵画、源氏物語などを題材にした物語絵、さらに市井の人々の暮らしが描かれる風俗図など、豊饒な人物画の歴史を有しているのです。本企画では中世から近代までの作品を取り上げ、日本の人物画をいくつかの視点からご覧いただきます。また併せて重要文化財《日蓮上人像》(三島市・妙法華寺蔵)を特別公開いたします。様々なしぐさや表情を楽しみながら、人の姿に込められた意味についても考えていただければ幸いです。