高度経済成長に伴う都市の膨張、通信交通網の発達、マス・メディアの普及など日本社会が大きく変貌を遂げた1960年代、過去の価値観を否定した「反芸術」運動が起こり、中でも吉村益信、赤瀬川原平、風倉匠ら大分ゆかり作家たちが中心となり、結成された「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」(1960年結成、「ネオ・ダダ」)は、その過激なパフォーマンスや奇抜な作品により、最も注目を浴びた前衛美術グループの一つとなりました。
一方、大分では、1957年、脇正人、幸寿らが「I(靉・あい)会」、1960年、神田千里、児玉成弘、井上佐之助らが「大分前衛美術会」を結成し、県美術界に新風を送りました。
今回は、大分の前衛美術を刺激・牽引した作家たちの作品を紹介します。
また、赤瀬川とともに「ハイレッド・センター」で活躍した高松次郎、中西夏之の作品も併せて紹介します。