ポール・シニャック(1863~1935)はパリに生まれ、最初モネの影響から絵画を始めます。スーラと出会ってからは、細かな均一の点を集積して画面を構成する新印象派の技法を採って作品を制作するとともに、その理論化にも中心的な役割を果たしました。同時にシニャックは海とヨットを愛し、自ら航海する画家でもありました。旅の先々で行う水彩絵具によるスケッチは、油絵の制作のためのものから。独立した作品へとなっていきます。自由な筆触と鮮やかな色彩で描かれた、シニャックの感性が息づくみずみずしい水彩画の世界が展開されます。アメリカ、アーカンソー・アート・センターのコレクションから、このシニャックの水彩画95点を展覧します。