タイトル等
押江千衣子 新作展
会場
西村画廊
会期
2015-02-04~2015-03-07
概要
西村画廊では、2015年2月4日(水)から3月7日(土)まで、1997年以来当画廊で定期的に作品を発表している押江千衣子の6回目、約7年振りとなる新作展を開催いたします。

押江千衣子は1969年に大阪に生まれ、1995年に京都市立芸術大学大学院を卒業しました。オイルパステルを指で伸ばして描く独特の手法により、ヨウシュヤマゴボウや彼岸花といった身近な草花をクローズアップした視点からとらえ、植物のあふれる生命力を豊潤な色づかいで表し、在学中から注目を集めます。その爽やかでみずみずしい感性やモチーフに対する親密な愛情に満ちた作品が評価され、2001年には、タカシマヤ美術賞、VOCA賞、京都市芸術新人賞を立て続けに受賞しました。その後、ヨーロッパ旅行をきっかけに、植物だけでなく風景へと描く対象を広げ、文化庁新進芸術家海外留学制度で2003年から2年間滞在したベルギーをはじめ、熊野、岡山、岐阜など、訪れた土地の山や森、木々などをモチーフに多くの作品を制作してきました。ベルギーでは、街の風景や人体のヌードデッサンといった、それまで主に題材にしてきたものとは異なるモチーフを多く描きため、新たな展開として話題を呼びました。2007年に田辺市立美術館、熊野古道なかへち美術館、和歌山県立近代美術館が共同開催したグループ展『森のなかで』、そして2008年の西村画廊での同タイトルの個展においては、奥深い熊野の森の濃密な緑、ゆるやかに続く雄大な山々の連なりなどを対象に、豊かな自然の内に息づく清新な気配を大胆かつ洗練された構図の中に表現し、大変好評を博しました。また、アーティスト・イン・レジデンス・プログラムで滞在制作と個展を行った大原美術館(岡山、2008年)とみのかも市民ミュージアム(岐阜、2012年)でも、同地の森の清涼な息づかいを押江独自の堂々とした画面の中に描き出し、高い評価を受けました。

近年では、結婚と出産を経て、家庭菜園で育てている野菜など毎日の生活に寄り添った身近なモチーフを数多く描くようになり、さらなる展開へ踏み出しています。こうした展開について押江は、「収穫した玉ねぎを軒下に吊り下げて、窓を開け閉めするときに眺めるということもなく、見ていた。そのうちに、ひげ根が四方八方に伸び伸びと広がっていることに気がつき、この玉ねぎは食品ではなく生き物なのだとわかった。さらに放ったらかしていたら、ねぎ坊主も勢いよく伸びてきて、線香花火のようなまんまるの愛らしい花が咲き誇っていた。そうしてようやく絵にしようと思った」と、単なる食用の対象であった収穫物が、これまで絵にしてきた草花や樹木と同じように、小さな命を持つ存在として自分の中で認識された瞬間を語っています。

この度の西村画廊での個展では、そうした日々の中で描かれた、新作油彩5点とドローイング10数点を展示します。玉ねぎやその花を描いた「ひげね」、「ぎぼし」をはじめ、目の前のモチーフとの静かで丁寧な対話を感じさせる、優しく親しみに満ちた、存在感あふれる新作が集います。

確かな実力を基盤に新たな展開へと進む押江千衣子の新作に、どうぞご期待下さい。
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2014/2015_1_oshie/2015_oshie.html
会場住所
〒103-0027
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
交通案内
東京メトロ銀座線 日本橋駅 B1出口より徒歩2分
東京メトロ東西線 日本橋駅 C4出口より徒歩2分
都営浅草線 日本橋駅 D3出口より徒歩2分
JR東京駅 八重洲北口より徒歩8分
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
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