この度、大宮エリーがいままでに制作した絵画作品を中心に「emotional journey 大宮エリー、初の大絵画展」をヒルサイドフォーラムで開催いたします。
大宮エリーさんとは、京都の飲み屋さんで初めて会い、その後、あるイベントにお誘いしたことがきっかけでたびたび会うようになりました。作家、脚本家、演出家、CMディレクター、CMプランナーといういくつもの顔を持ち、テレビやラジオで活躍される方なのですが、展覧会というメディアを使って、観客に空間インスタレーションとともにイメージや言葉を伝えていくという、その場でのリアルな体験を大事にしてきました。その展覧会の際に制作されたいくつもの巨大な絵があります。観客の前で描かれたものもあれば、深夜の展覧会場で一人で一気呵成に描き上げたものもある。美術界というフィールドでは、とかく歴史とか技術を重んじるのですが、彼女の絵は、アウトサイダーアートのようでもあり、与謝蕪村のようでもあり、ジャン・コクトーのようでもあり、まさに縦横無尽に地域や時間を横断し、彼女という個から発した「生の芸術」からは圧倒的な強さと狂気が放たれています。それは、私たちに「絵」とは何か、「表現」とは何か、をもう一度立ちどまって考えさせる素晴らしいチャンスだと思っています。
小山登美夫 (小山登美夫ギャラリー代表)