16世紀エリザベス朝時代のイギリス(イングランド)を代表する劇作家で詩人のウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare 1564-1616)。彼が遺した名作の数々は、没後400年を経た現在でもその魅力は少しも色あせず、世界中の人々を感動させています。
シェイクスピアの生誕450年を記念して開催する本展覧会には、2人の主役が登場します。最初の主役は、戯曲の名場面を描いた絵画や版画、そして挿絵本の数々です。フランス・ロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワによる版画集『ハムレット』、マルク・シャガールのリトグラフによる挿絵本『テンペスト』、日本でも人気の高い挿絵画家アーサー・ラッカムやウォルター・クレインの美しい挿絵本などをご紹介します。
もう1人の主役は、約80点にのぼる個性豊な装丁本です。これは、世界でも権威のあるイギリスの装丁家協会「デザイナー・ブックバインダーズ」が、2013年に行った第2回国際コンペティションの入賞・入選作品です。コンペティションのテーマは、「シェイクスピア」。世界中の装丁家が、シェイクスピアの著書や関連書物に、高度な技術を駆使して、美麗にして斬新な装丁を施しています。
『ハムレット』『オセロー』『リア王』『マクベス』の四大悲劇、『夏の夜の夢』や『ヴェニスの商人』などの喜劇、若い恋人たちの悲恋を描いた『ロミオとジュリエット』。鋭い人間観察と深い人間愛に貫かれたシェイクスピアの劇と詩の世界を「視覚イメージ」を通して、じっくりご鑑賞ください。