画家の目を通して描かれた異国のイメージに思いを馳せ、世界旅行に出かけてみましょう。旅先で心惹かれた風景や、そこに生きる人々を描いた作品などを当館収蔵作品の中から紹介します。
異国の風景や文化、そこに生きる人々の生活に触れることは、人が旅をする大きな理由のひとつではないでしょうか。では、画家にとってはどうでしょう。
かつて明治の画家たちは、西洋絵画を学ぶためヨーロッパへ渡り、日本になかった表現様式をもたらしました。その後も多くの画家たちが自己の絵画研究のため、あるいは新たなモチーフを求めて世界中を訪れています。新しい表現、異なる世界観に生きる人々、美しい風景などを目の当たりにすることで、画家は創作意欲をかきたてられたり、制作活動の大きな転機を迎えたりします。
また、同じテーマを描き続けることで、独自の表現様式を確立することさえあります。異国を旅し描くことは、画家にとってひとつのターニングポイントといえるでしょう。
今回の常設展では、当館収蔵作品の中から作品を厳選し、11人の画家の作品を紹介します。それぞれの画家の目を通して描かれた異国に思いを馳せ、世界旅行に出かけてみませんか。時代や場所を越えて画家の想いを追体験することで、あなたの知らない異国の情景を感じてください。