高山右近(1552年~1615年)は織田信長、豊臣秀吉に仕え、武将としての傑出した能力は秀吉をはじめ諸将から高く評価されました。また、千利休の高弟として茶人としても活躍し、同時にキリスト教布教にも尽力しました。1587年、秀吉のキリシタン禁令(バテレン追放令)により棄教を拒否したことで領地を没収され、翌年、加賀藩祖・前田利家により金沢に迎えられます。利家の死後は加賀藩二代藩主・利長により家老扱いを受け、金沢城修築、高岡城築城などに手腕を発揮しました。また利休高弟として茶の湯を広める一方、追放されたキリシタン武将(内藤如庵、宇喜多休閑)を前田家客将に世話するなど、1614年徳川家康の禁教令によるマニラへの追放まで、ささやかながら布教活動を続けました。
本展は、2015年2月3日が高山右近没後400年の節目にあたることから、戦国時代から天下統一に至る激動の時代を生き抜いた、その生涯と人物像を貴重な史料や作品によって重層的に捉え直すことを趣旨として、右近が晩年の26年間を過ごした金沢で開催するものです。
展示内容は、右近の遺品や右近に関わる歴史資料、千利休や当時の有力な茶人に関わる茶道美術、西洋文化の影響を反映した16世紀から17世紀のいわゆる南蛮美術、石川県をはじめ北陸地方に伝来したキリシタン遺物など約100点です。