『廃墟という人に忘れ去られ、人が生活するのをやめた建造物に流れる風化という時間。自分の手が加わっていない間に銅板が腐蝕され、変化していくエッチングやアクアチントという技法。これらに共通する、ほかには得難い高揚感や、それと同時に感じるわびしさを、作品と向き合うことで表現したい』(木塚奈津子)
在学中の初個展。一見、写真にも見える銅版画。線の一本一本を刻んでゆくしごとのなかから生まれる時間の堆積、陰影。廃墟という決して明るいイメージではない場所に作家が感じる魅力の在りかを、観るものも発見したいと思います。 / ギャラリーモーニング