ごくあたりまえの日常生活のこと。私たちは、カーテンという装置によって外界と遮断し、自分だけのプライベート空間を確保したり、少し開けながら外界の空気や光を取り入れたりと緩やかな遮断と接続によって微妙な距離感を保ち領域を確保している。また、物理的なことだけでなくそこには微妙な意識化(意識空間)も複雑に折り重なっている。アイデンティティの空間は、家族、社会、国家、民族など、領域化へと広げられるが、そこにはさまざまな差異意識が作用する。今回の展覧会では、空間をカーテンによって分けることで領域化させ、思考・感覚・感情・身体などについての相互作用を考える場を創起させたい。