有元利夫は、1946(昭和21)年、岡山県津山市生まれ(翌年、家族とともに東京都に転居)。1969年、東京藝術大学美術学部デザイン学科に入学。在学中は、日本画、洋画、彫刻の研究室、さらには音楽学部に出入りし、幅広い分野に興味を抱き、1971年には、初めての海外旅行でヨーロッパを訪問。各地で目にした風化したフレスコ画の画肌に強い感銘を受けました。
また、有元は、1978年の第21回安井賞展では《花降る日》で安井賞特別賞を受賞。さらに、1981年の第24回安井賞展では《室内楽》で安井賞を受賞するなど、画壇の注目を広く集め、その後の活躍が期待される中、1985年、38歳で死去しました。
本展覧会では、イタリア・初期ルネサンス期の絵画に登場するような独特の人物と風景を描いて画壇の話題を呼んだ、有元利夫の画業の全貌を、絵画・彫刻・工芸作品約100点により紹介します。