「ムーミン」シリーズを生んだトーベ・ヤンソン (Tove Marika Jansson, 1914-2001)は、スウェーデン語系フィンランド人として、ヘルシンキに生まれました。父は彫刻家、母は画家、そして自身や弟たちもみな芸術家という一家に育った彼女が風刺雑誌の挿絵画家としてデビューしたのは、若干15歳のころでした。幼少期、そして多感な青春期に戦争体験をしながらも、86歳で没するまで「Work & Love」を信条に創作活動を続けたトーベの生誕100周年を記念した展覧会が始まります。
本展は、フィンランドの国立アテネウム美術館で開催の回顧展(2014年3月~9月)の日本巡回版として再構成されたものです。トーベの代表作である「ムーミン」シリーズの挿絵原画のほか、生涯通して挑戦し続けた油彩作品や、『不思議の国のアリス』をはじめとする児童文学の挿絵、そして家族や近しい人々が撮りためた写真資料など約400点の作品を出品。また1964年から1991年まで彼女がほぼ毎年夏を過ごしたクルーヴ島の「夏の家」実物再現モデルを特別展示いたします。北欧の風土に根差し、ムーミンを生み出しムーミンと共に生きたトーベ・ヤンソン。その生活と創作の秘密に迫る展覧会です。