文化庁は、将来の我が国の芸術界を支える芸術家を支援するため、若手芸術家を海外に派遣し、その専門とする分野について研修の機会を提供する、「芸術家在外研修(新進芸術家海外研修制度)」※ を昭和42年度から実施し、美術部門での派遣者は1,000人を超えています。
その研修の成果発表である本展は過去16回を数え、絵画・彫刻・写真・インスタレーション・アニメーション・工芸・建築などさまざまなジャンルから活躍中の作家を選出し、その時々の日本の美術の在り様を提示してきました。
17回を迎える今展では、「造形の密度と純度」というテーマのもとに、造形的に非常に繊細で密度の濃い作品を制作し、それによって表現の純度を高めている新進作家12名に焦点をあてるとともに、今回初めて「保存・修復」の分野での研修者3名の発表の場も設けます。
国立新美術館の大きな空間を生かした絵画、版画、写真、陶芸、鋳造、アニメーション、インスタレーションといったヴァリエーション豊かな12の展示をお楽しみいただくとともに、「保存・修復」という美術品を支える重要な分野への理解を深めていただける貴重な機会になると思っております。
※「芸術家在外研修(新進芸術家海外研修制度)」
文化庁が若手芸術家を海外に派遣し、その専門とする分野の研修を支援する制度。これまで約3,180名を派遣している。美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術等、メディア芸術の各分野を対象に1年、2年、3年、特別(80日間)、短期(20日~40日)及び高校生(350日)の6種類があり、研修員は海外の大学や芸術団体、芸術家等への実践的な研修を行っている。
この制度の詳しい内容は文化庁ホームページをご覧ください。 http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/index.html