東京美術学校彫刻科木彫部(1949年からは東京芸術大学美術学部彫刻科)教授として後進の指導を行った平櫛田中(1872-1979)は、1950年、自作の彫刻27点を含めた合計133点を東京藝術大学に寄贈しました。その後に寄贈された作品を合わせた合計149点に及ぶ作品群が、平櫛田中コレクションとして大学美術館に収蔵されています。ひとりの彫刻家として残した自作の作品、また独自の審美眼で選ばれたこれらの作品は、藝大での教育研究に有効に活用されています。また、コレクションは毎年数十点ずつ公開され、多くのお客様に親しまれています。今年度はこのコレクションから《三井高福像》、《鏡獅子》などの自作の彩色彫刻や、橋本平八、佐藤朝山らの選りすぐりの作品を約25点公開。田中が未来の彫刻家たちに残した作品をお目にかけます。