長谷川沼田居(1905-1983)は足利出身の画家です。郷里において南画、洋画を学んだ後、中央画壇で日本画を学びますが、画壇の卑劣さに嫌気が差し帰郷。以来地元でかきつばたやひまわりなど身近なものを好んで描きました。長谷川は晩年、白内障と緑内障を患い失明しています。しかし、筆を折ることはありませんでした。彼にとって生きることと描くことは不可分の出来事であり盲目のうちに描いた自動書記的な書と絵画は他に類例を見ない凄みをおびています。本展は「心眼の画家」と言われた長谷川沼田居の作品と生涯を紹介する展覧会です。