デミタスはフランス語で半分のカップを意味する小ぶりの器で、食後などに深く濃い味わいのコーヒーを飲むためのものです。掌にすっぽりと収まる大きさにもかかわらず、その形状や加飾は驚くほど多彩です。
本展では、18世紀から20世紀初頭のマイセン、セーヴル、ロイヤルウースター、ミントン、KPMベルリンといったヨーロッパの作品を中心に展観します。優雅で愛らしく、宝石のような煌めきをもつデミタスの数々をお愉しみください。
本展でご紹介するのは、鈴木康裕・登美子夫妻によるデミタスのコレクションです。
ご結婚当初から、ともにコーヒー好きということで始まった蒐集。40年にわたり1ヶ月に1点ずつお二人で相談しながら集められ、その数は500点を超えます。
カップの高さは7cm以下、ソーサーとのセットであること、完品であること、といったこだわりを持つことで、より充実したコレクションを築き上げてこられてきました。