マティス、カンディンスキー、ピカソから現代作家まで、約100点をコレクションから紹介。
一色海岸に面して、展示室からも海の見える葉山館。この展覧会は、海と空、緑にかこまれ光に包まれた葉山の美術館で「いろ」「うごき」「かたち」をキーワードに、美術の魅力を探るものです。
色鮮やかなマティスの版画集『ジャズ』(前後期で全点展示)が並ぶ展示室では、ピカソの陶器やカンディンスキーの版画が私たちを出迎えてくれます。続いて日本の戦後の美術を代表する鶴岡政男(つるおか まさお)、村井正誠(むらい まさなり)、渡辺豊重(わたなベ とよしげ)といった画家の特色ある「いろ」や「かたち」でつくられた作品が並びます。次の部屋では、多田美波(ただ みなみ)の動く彫刻やマチウの「うごき」のある抽象画が、見るものを圧倒します。さらに、芸術の冒険を試みた現代作家の刺激的な作品が並び、海の見える部屋では、西雅秋(にし まさあき)の舟をフロッタージュした作品や、河口龍夫(かわぐち たつお)の鉛に包まれた樹木の作品が私たちに創造の秘密を問いかけてきます。
この夏は、子どもたちもご家族も、そして、日ごろ現代美術が気になりながら見すごしてきた方もみんな、「いろ」や「かたち」や「うごき」でつくられた魅力あふれる作品たちにかこまれて、思い思いに葉山の美術館で楽しんでください。さあ、アートをめぐる夏の冒険の始まりです。