1968(昭和43)年夏、平山郁夫は妻の美知子夫人と共に初めてシルクロードの旅に出発しました。旅の目的は日本美術の源流をたずねることにありました。若き日の平山夫妻は、インドのニューデリーから入り、パキスタンのガンダーラ地方を経て、アフガニスタンのバーミヤン遺跡を訪れ、ここからさらにウスベキスタンへと飛び、天山山脈をその目に焼き付けました。
当館開館10周年を記念する本展では、平山郁夫の人生を決定づけた1968年のアフガニスタン、パキスタンへのシルクロード旅行に焦点をあてながら、平山郁夫の絵画と、ガンダーラの仏教彫刻など当館所蔵の名品を展示します。そして日本国内に保護されているシルクロードの地からの流出文化財をご紹介し、画家として活躍する一方、文化財保護活動に身を投じた平山郁夫の業績を振り返ります。