「のっぴきならない現実」─これは、岡本太郎が1952年に発表した「四次元との対話 縄文土器論」で使われたことばです。岡本は、原子爆弾や冷戦、経済恐慌を取り上げ、この「のっぴきならない現実」と芸術家がどのように向かい合うべきかを説きました。
本展覧会では、岡本が熱心に撮影した縄文土器の写真や、戦後の復興期のエネルギーを描いた《建設》、そして今日まで親しまれる《太陽の塔》など、現実社会への関心から生まれた作品を紹介します。
どの時代にも、エネルギーをほとばしらせながら芸術活動に取り組んだ岡本の作品は、「縄文土器論」から約60年後の今を生きるためのヒントとなるかもしれません。