浮世絵は早くから欧米で評価され、沢山の作品が海外の美術館に所蔵されました。第二次大戦後の混乱期、日本の三大浮世絵コレクションの内に数えられた「三原」、「斎藤」両コレクションが海外流出や散逸の危機に瀕した折、これらを蒐集し国内に留めたのが、実業家・平木信二氏でした。
この二大コレクションを含む「平木コレクション」は、稀少な初期の浮世絵版画から鈴木春信・鳥居清長・喜多川歌麿・東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川広重ら浮世絵史上の巨匠たちの代表作まで幅広く網羅し、いずれも摺りや保存状態に優れた国内屈指のコレクションとして、広く知られています。
本展は、約6,000点に及ぶ同コレクションの中から、厳選された重要文化財・重要美術品のみ145点を展示します。「ベスト・オブ・平木コレクション」と呼びうる珠玉のラインナップにより、浮世絵の芸術性や魅力を存分にご堪能ください。