筑西市では、例年「下館羽黒神社夏季祭典」として「下館衹園まつり」を7月下旬、4日間に渡って開催。2基の大神輿と姫神輿、各町内の子供神輿が市内を練り歩き、市民のみならず県内外からも毎年約20万人もの大変多くの人出があります。特に、最終日の早朝に、大神輿を川に入れる「川渡御 (かわとぎょ)」は全国的にも珍しく、見どころの一つです。今展では、「下館衹園まつり」の開催時期に併せた企画展として、日本の祝祭文化に深い関心を持つ中国人画家・傅益瑤女史による中国伝統の水墨画に日本画の技法を取り入れ、活気溢れる独創的な筆致で描いた日本各地の有名な祭り絵と、「下館衹園まつり」を題材にした筑西市の魅力を広く伝える新作を含む大作を中心にした墨彩画50点をご紹介します。
傅益瑤女史は、中国近代画壇の重鎮、傅抱石 (ふぱおし) を父に持ち、江蘇省南京市に生まれました。南京師範大学卒業。昭和55年に中国教育部の国費留学の第一期生として来日。かつて父が留学した武蔵野美術大学大学院で日本画家 塩出英雄、東京藝術大学大学院では平山郁夫に師事しました。来日から四年目ごろ、住んでいた立川の十二景を絵にすることになり、その中の一景として郷士芸能『鳳凰の舞』を描いたことがきっかけとなり、その後、日本各地に根付いた独特の文化や習慣を持つ祭りを描くようになりました。墨彩画による傅益瑤女史独特の筆使いで、エネルギッシュで激しく変化する祭りの一瞬を表現した「青森ねぶた」「秋田竿燈」「京都衹園祭」「宮崎高千穂夜神楽」など四季折々、日本各地の祭りを是非美術館でお楽しみください。
なお、会期中の関連行事として映像による作家紹介、傅益瑤女史との作品鑑賞会、そして昨年に引き続き、しもだて美術館の夏休み恒例行事となりました、小中学生対象の「宿題お助け隊」ミニ絵画教室を開催いたします。