伊賀・丸柱の里山にある植松さんの庭で、大きな樹を見上げた。この樹には星が実るという。都会と違う時がゆったりと流れ、ちがう風が吹いて、少し眠りませんかと誘った。
我が家には植松さんのたくさんの「庭になる星」が壁を飾り、冬にはその前で暖炉が焚かれる。煙突から放たれる煙が懐かしい香りを漂わせ空へと消えてゆく。
「我々人間や多くの生物が住む地球は、煙突の中で、一粒の煤が舞っているようなものかもしれぬ。宇宙は煙突の空間であり、地球は煤のようなもの。塵が筒の中で星になり消えていく、ほんの一瞬に我々は生きているのではないかと考えたりする。そんな一瞬の中で私は土に感じ物を創る」(植松永次「月とお日さまの間」より) 島田 誠