花摘みに興じる子ども、恋に愁う男女…またある作品には平安の舞台にパリのエッフェル塔を登場させるなど、見る者を楽しませる作者の遊び心あふれる作品たち。本展の「源氏物語」シリーズは、世界を巡る展覧会で「寿恵更紗 (SUE SARASA)!」と高く評された更紗芸術家 青木寿恵 (すえ) が彼女独特の更紗紋様を取り入れ、日本の“和”を描いた作品群です。「決して得意ではなかった」と笑いながら話す彼女の人物画は見る者に素朴なやさしさを感じさせ、完璧でない描線から滲み出す愛らしさこそ本シリーズの最大の魅力といえるでしょう。青木寿恵という芸術家を通して昇華した『“新解釈”更紗源氏物語』の世界、ぜひお楽しみください。