旅に出るのには絶好の季節となりました。日常から離れ別の場所に過ごすと、目の前のありふれた景色も実に新鮮に感じられる―そんな経験をだれもが味わったことがあることでしょう。画家たちもまた、各地への旅をとおして新たな風景と出会い、自らの表現を深めてきました。
本展では、近現代の日本の画家が、フランス、パリを中心に、ヨーロッパを訪れ、描いた異国風景をたのしみます。パリの空気を吸い込んだ鈴木満の滞欧スケッチや、フランス滞在のなかで新境地を見出した鷲田新太、ドイツ、ハンブルク時代の一時期に描かれた島﨑蓊助のセピア調の絵画など約50点とともに日記や取材ノート、写真アルバム、新聞や雑誌のスクラップなども紹介します。展示室をめぐりヨーロッパ旅行の気分を味わっていただければ幸いです。