原 秀一はライワークとして「扉」と「花」を描き続けている。ガッシュとパステルの混合技法による作品には独特の深みと輝きがある。
「扉」は誘うようにわずかに開かれ、その向こうに広がる世界を想像し心が躍る。扉はその時々の作家の自画像でもあるという。人々の暮らしが塗り重ねられた扉、ポスターが貼られた賑やかな扉、荘厳な聖堂の扉などさまざまな表情をみせてくれる。
「花」は作家の彩 (いろ) の追究から生まれた心の花、夢の花。静謐な青の空間に包まれ色彩はより一層、魅惑的に響き合う。
本展では1956年の河北美術展出品作から近作まで約20点を展示。原 秀一が長い時をかけ創り上げてきた世界の扉を開き、作品との対話をお楽しみください。