当館所蔵の2000年代の作品10点を一堂に集め、現代絵画の動向を探る展覧会です。
21世紀に入り、現代絵画は新しい局面を迎えたといっていいでしょう。一つは、20世紀の絵画を支配していた西洋中心のモダニズム観が無効となり、その呪縛から解放されたという点。もう一つは、マンガやアニメ、ゲームといったサブカルチャーの要素をためらうことなく導入するようになったという点。これらの理由から、作り手たちは、その個人的な内面世界をより自由に表現するようになりました。
自由といえば、21世紀の初頭に、爆発的に普及したのがパソコンやケータイのメールです。直接の面会や電話、手紙と比べると、メールは時間や空間の拘束から解放された、極めて自由なコミュニケーション手段といっていいでしょう。
本展では、鹿児島で活躍する現代絵画の作り手たちと、今や生活に欠かせなくなったメールという手段を使って語り合い、現代において絵画を作ることの意味を考えるものです。面会や電話、手紙とは一味違うインタビューとなって、対話が深まれば幸いです。