雨となって大地に染み、川を下って海へと注ぐ。水は形を変えながら、私たちに様々な表情を見せます。それは生命の源として必要不可欠なだけでなく、目の前の景色を多様なものに変え、私たちの心情に大きな影響を与えてきました。あるときは清流に心癒され、あるときは自然の猛威に畏怖する。多くの複雑な感情を抱きながら、常に共にありました。
多くの作家たちもまたその魅力に魅せられ、形を持たない水の表現を試みてきました。例えば琳派の画家たちによる流水や波模様の表現、川や湖の美しい風景画などを思い浮かべることができるのではないでしょうか。また、日々の営みの中で生まれる人と水の関係も欠かすことができません。水辺の風景は、身近な自然として傍らにあり、私たちの生活の一部となっています。生活に彩を添える「水」をテーマに収蔵作品の中から紹介します。