2012ギャラリイKでの作品展ヒカリヲタタクは2m×6m、表現という手段を削りきった作品であった。
私というエネルギーでアルミニュームに打った点の集合体が様々な形に変容し視覚的な抽象形態から自然界の具体的な形態を個々にフィルターを通して観て頂けた事、そしてアルミニュームの地中に潜っていた記憶のようなものと出会えたことが私にとっての喜びであり達成感であった。ヒカリヲタタクシリーズは光を受けたヒカル抽象画のようなものであると自分では思っている。
版画科出身の私は何を作っていても常に平面的な感覚を大切にする作家である。
そして昔、詩を書いていた事もあり何処かポエジーな感覚を作品に練り込むのが好きなのだ。
ゲーテが死ぬ直前に発した言葉、「もっと光を・・」という印象的な言葉があるが、学生のときからこの言葉がどうゆうわけか私の意識を貫いて離さない。
彼が死ぬ直前に感じた思いはどんな風景だったのだろうか。
彼の研究した光学には詳しくないが彼は色彩は光と闇でできるものだという。
だとしたらアルミニュームの持つ白いヒカリとは色の束のようなものではなかろうか?
このヒカル抽象画とヒカルハウスの持つユーモラスな揺らぎとの化学反応をただただ観て頂きたい。
2009年産まれのヒカルハウスは全て空洞で出来ている。空洞とは広く考えると宇宙空間と繋がり合っている。
私達の暮らす住居も多くは窓があり扉ありが換気口あり、穴だらけである。空洞だらけではないだろうか?
ヒカルハウスはそういった家の一番単純な建屋の象徴として存在している。
飛躍的な事を言ってしまうと穴だらけの私達の体内自身も自ら発光する家なのではないかと思っている。
私達は光のなかに住んでいるのだ。
ヒカリヲタタク扉が開きヒカリニスム事を想い作品を鑑賞して頂ければ幸いである
小野サボコ
Ono Saboko