色、形、テクスチャーが精緻に織り込まれ、光のスペクトルが交錯する視覚の宇宙。多様な造形言語を独自の方法論で組織化した先鋭的なエディトリアルワーク。
鮮烈な視覚体験を私たちにもたらしてきた勝井三雄は、ヴィジュアルコミュニケーションの根本原理を、森羅万象と人間の意識、自己と他者の共振という、とどまることのないゆらぎの中での出来事として捉える。
そして、地球の奇跡的なゆらぎのつながりが危機に瀕している今、勝井は自らのデザインにある方向性を与えようとしている。未来へ向けた「兆しのデザイン」。
半世紀以上にわたる創造の軌跡とともに、本展では、その第一歩が記されることになるはずだ。Text by ritsuo takahashi