河口湖美術館(山梨県富士河口湖町)は、一九九九年より「富士山写真大賞」と題して全国から作品を募りコンテストを催しています。同館では、毎年一〇〇〇点を超える応募作品の中より金賞、銀賞、銅賞、入選作を決定し、お正月から春先にかけて「富士山写真大賞展」を開催しています。
様々な角度、様々な気象条件によって美しく表情を変化させる富士山。四季それぞれの風景のなかで撮影された受賞作には、美しさとともに驚きがあり、百人百様の構図で鑑賞者を楽しませてくれます。
この度は世界文化遺産登録を記念して、富士山が描かれた十一作品を含む歌川広重(一七九七―一八五九)の「東海道五十三次」(丸清版)を併せて展示し、古来、人々に親しまれ、崇められてきた日本の最高峰の姿を現代に伝えるとともに、富士山周辺地域の環境保全について考えていただく契機となれば幸いです。