タイトル等
ギンザ・グラフィック・ギャラリー 第328回企画展
トマシェフスキ展
世界を震わす詩学
会場
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
会期
2013-12-02~2013-12-25
休催日
日曜・祝日
開催時間
11:00a.m.~7:00p.m.
土曜日は6:00p.m.まで
観覧料
入場無料
協賛・協力等
監修:矢萩喜從郎/副監修:フィリップ・ポンゴフスキ
後援:ポーランド広報文化センター
概要
ヘンリク・トマシェフスキ[1914-2005年]のポスターは、1950年代にポーランドの多くのデザイナー達を引き寄せ、世界が驚くポーランド・ポスターの花を開かせる重要な役割を果たしている。彼のポスターに鼓舞されたデザイナーに依って生み出されたポスターが、いつしかポーランド派ポスターと称されるまでになった。トマシェフスキは、その草分け的存在の役割を果たしただけでなく、生涯にわたり、ポーランド・ポスター界の牽引車であり続けた。ワルシャワ美術アカデミーでの教え方は型破りで、言葉を重視し、自分が造形化することの意味を問い、そして自分とは何かを徹底して問うものだった。ポーランドの学生のみならず、トマシェフスキのアトリエには、後にフランスに衝撃を与えたグラピュスのメンバーも含め、世界から学生が集まり、トマシェフスキの造形哲学に鍛えられ、その薫陶を受けた精神を糧にして自国で活躍している。今日のポスターデザインの世界において、トマシェフスキ亡き後も、弛緩した状況に鋭い批評を発し続ける存在と彼が映り、トマシェフスキ“現象”と呼べる影響力が続いている。共産主義政権[ポーランド人民共和国]で社会主義リアリズム[1949-55年]が強制され、陰鬱な空気が支配する空の下で、トマシェフスキは当局との確執が起こることを慎重に的をずらして回避し、逞しく生きのびた人だった。トマシェフスキのポスターは、暗雲を吹き飛ばす眩しい太陽であり、輝くばかりの色調で、自由な雰囲気を醸し出す開放感がみなぎっていた。それにシンプルな造形に品位と知性が備わり、しかも洗練された意表を衝くポスターだったことで、人の心を魅了したのだった。その様なポスターができたことに重要な秘密を読み取れる。それは、二つの側面から語られる抽象化だろう。対象になっているものの核心を捉える為に果敢に迫って一つの言葉へ集約すること、それにその言葉を造形化して視覚化する段階で、不要なものを削ぎ落とし簡潔、明瞭なものに辿り着くことに他ならない。トマシェフスキのポスターは、絵画的ポスター、アンリ・マチス[1869-1954年]との親近性を拾える切り紙を用いる「デクパージュ」の手法に依るポスター、ドローイングを使用するポスターと変化していくが、トマシェフスキの造形哲学は一貫していた。トマシェフスキは、ドローイングがインスピレーションが源と語ったが、それは、風刺画の制作を生涯続けたことにも示されるように、言語的意味と絶えず交歓しドローイングを描いていたことがその証左となる。“意味変換”、“ずらし”等の知的試みが作用していると考えられるが、トマシェフスキのポスターに評される言葉は詩学である。その詩学には、ペーソス、ユーモア、ウィット等が加味されたことで、より多くの人がその詩学に伝染し、トマシェフスキの造形を一度目にしたら頭から離れなくなるぐらい、世界を震わす力が潜んでいたと言えるだろう。 矢萩喜從郎
イベント情報
オープニングパーティ
日時:2013年12月2日[月]5:30p.m.-7:00p.m

ギャラリートーク
日時:2013年12月2日[月]4:00p.m.-5:30p.m.
出演:フィリップ・ボンゴフスキ
日時:2013年12月6日[金]6:00p.m.-8:00p.m.
出演:矢萩喜從郎
会場:DNP銀座ビル3階/入場無料、要予約、定員70名
参加ご希望の方は、ギャラリーHPよりお申し込みください
ホームページ
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000611
会場住所
〒104-0061
東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1階
交通案内
最寄り駅は
■ 地下鉄/銀座線、日比谷線、丸ノ内線「銀座」駅から 徒歩5分
■ JR/「有楽町」「新橋」駅から徒歩10分
ホームページ
https://www.dnpfcp.jp/foundation/
会場問合せ先
03-3571-5206
東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1階
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